加齢黄斑変性
加齢黄斑変性
加齢黄斑変性(AMD)も近年増えている失明原因の一つです。
黄斑部と呼ばれる物を見る中心部分に新生血管と呼ばれる異常血管が産生されることで、出血や漿液性網膜剥離を生じ、放置することで線維瘢痕変化や網脈絡膜萎縮を来たします。
症状としては、ゆがんで見えたり、真ん中が欠けて見えたりします。病状によっては急激な視力低下を感じるかたもいらっしゃいます。
以前はレーザー治療しか治療法がなく、視力の改善と維持は困難でした。しかし、近年血管内皮増殖因子(VEGF)をおさえることで、新生血管の活動性を抑制し、視力の改善や維持が出来ることがわかっています。
投与スケジュールはいずれの疾患も月1回投与を3ケ月連続で行う導入期投与を行った後に、徐々に最大4ヶ月間まで投与間隔を延ばしていくTreat and Extend(TAE投与)治療を推奨しております。高額医療費による補助が受けられますが、依然として高額な治療であるため、患者様毎の状況や希望に応じて、必要時投与(PRN投与)や導入期後に再発するまでの間隔を把握し行うmodified TAE投与やバイオ後続品製剤(バイオシミラー)を選択することも可能です。
VEGF阻害薬による適切な治療を受けられていても病勢が押さえられない場合もあります。その場合にはより効果の強い薬剤へ変更したり、特殊なレーザー治療(光線力学療法)を併用することがあります。光線力学療法が必要な場合には適切な専門機関へご紹介させていただきます。