白内障とは、水晶体が白く濁ってくる病気です。
加齢による白内障が7割以上を占めますが、他にも先天性や外傷性、アトピー、糖尿病、薬剤や放射線が原因となる白内障もあります。加齢による病状の進行は、早い場合では40歳代から始まり、加齢とともに増えていきます。その他の白内障は比較的若年層で発症し、アトピーや糖尿病、怪我で白内障を起こすこともあります。また生まれつき白内障を発症していることも稀にあります。
白内障の代表的な症状は、視界が全体的にかすむ、視力が低下する、光をまぶしく感じる、暗い時と明るい時で見え方が違う等あります。ただ白内障は、どんなに症状が進行しても手遅れという事はありません。そのため手術時期については、基本的に患者さんが不自由を感じた時となります。

治療法としては、基本的には手術加療となります。ただし、病状初期の場合や、諸事情により手術ができない場合には、点眼で進行を抑える加療もありますが完全に進行を止めることは出来ません。
見え方に不自由を感じる方は一度受診することをお勧めします。

手術は麻酔薬を点眼して行います。目の周囲に麻酔薬の注射を追加することもありますが、強い痛みを感じることはありません。目の表面をほんの数ミリ切開し、濁った水晶体を超音波で砕きながら取り除き、そこへ人工の水晶体である眼内レンズを挿入します。手術時間は目の状態によって様々ですが、おおよそ20 分程度で終了いたします。詳しくは医師に聞いてください。

　手術後のケアはとても大切ですので、定期的に診察を受け処方された点眼薬を正しくご使用ください。

眼内レンズには単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズがあります。
単焦点眼内レンズは手術前に決定した距離の一点にのみピントがあうレンズで、保険診療で行うことができます。手術後は眼鏡装用が必要となります。
多焦点眼内レンズは種類によって様々ですが複数の距離にピントが合うレンズです。ただし眼鏡装用が全くいらなくなるわけではなく、眼鏡を使用する頻度が少なくなると言う程度にお考えください。また単焦点眼内レンズより術後のまぶしさ(ハロー・グレア)が気になることが知られています。ご興味のある方は一度医師にご相談ください。

多焦点眼内レンズを使用する白内障手術を受ける場合、当院では選定療養の費用として、通常の診療費とは別に以下の金額をご負担いただきます。

多焦点眼内レンズの種類	金額(税込)
クラレオン　パンオプティクス	320，000円
クラレオン　パンオプティクストーリック	370，000円
クラレオン　ビビティ	320，000円
テクニス　オデッセイ	330，000円
テクニス　オデッセイトーリック	390，000円
テクニス　シナジー	310，000円
テクニス　シナジートーリック	360，000円
ファインビジョンHP	350，000円
ジェメトリック	300，000円
ジェメトリックトーリック	350，000円

 

保険外診療（自由診療）にはなりますが、５焦点眼内レンズ（インテンシティ）の取扱いもございますので、

詳しくはスタッフにお問合せください。

当院では難症例白内障手術も施行しております。
　落屑症候群やアトピー性皮膚炎、網膜色素変性症や代謝異常疾患、外傷などの方は水晶体を支えるチン小帯が脆弱です。そのため白内障手術の際に眼内レンズを支える水晶体嚢を温存することが難しい場合があります。こう言った場合には通常の手術方法では眼内レンズを挿入することは出来ないので、硝子体手術と眼内レンズ強膜内固定術を施行することで、水晶体嚢が無くても眼内レンズを挿入固定することが可能です。