ICL
ICL
角膜を削らない視力回復
Implantable Contact Lens (ICL)
Vision Correction
眼内コンタクトレンズ治療は
レンズを目の中に入れて視力を矯正します。
眼内コンタクトレンズ治療は、角膜を削らない視力矯正法で、あざやかな見え方でドライアイや夜間のハロー・グレアの出現が少なく、長期安定性に優れた結果が期待されます。
眼内コンタクトレンズ治療は、レンズを目の中に入れて視力を矯正する治療法です。
インプランタブルコンタクトレンズを略してICL治療と呼んだり、フェイキックIOL(有水晶体眼内レンズ)治療と呼ばれることもあります。レンズは黒目(虹彩)の後ろ側と水晶体の前面の間に固定しますので外から見てもわかりません。
目の中に入れるレンズは、ソフトコンタクトレンズのような柔らかい無色透明の生体適合性の高い素材でできています。コンタクトレンズやメガネのようなお手入れは不要です。
手術は日帰りで両目同じ日に手術を行います。約3㎜の傷からレンズを入れるので回復も早いです。眼内コンタクトレンズ治療なら、レーシックと異なり角膜を削らないので角膜の形がほとんど変化しません。また光学径が大きく確保できるため、夜間に問題となるハロー・グレアの抑制による、優れた見え方が期待されます。
他の目の病気(緑内障や白内障など)や全身疾患のない近視や乱視の方が対象になります。強度の近視や角膜の薄い場合も対象になります。目の形状や状態、他の疾患をお持ちの場合は治療を受けられない場合があります。詳しくは医師の検査を受けて下さい。
1978年から開発が始まり、現在の眼内コンタクトレンズ治療は1997年に欧州、2005年に米国で承認され治療がスタートしています。国内では2003年から治験が始まり2010年に承認され一般に治療が始まりました。当院では国内で唯一承認をうけたスター社製のアイシーエルを使用しております。
アイシーエル KS-AquaPORT(アイシーエル ケイエス アクアポート)と呼ばれるレンズを使用します。このレンズは、レンズ中央に小さな孔が開けられており、眼の中の液体(房水)の循環が従来のレンズ(アイシーエル)と比べて改善されたレンズです。この改良により、合併症発生率の減少が期待されています。
アイシーエル KS-AquaPORTは、2016年9月にレンズデザインに若干の変化が加えられ、レンズの光学部径が僅かに大きくなっています。これにより、光学部以外の部分を光が通過する割合が少なくなり、グレア・ハロー(ぎらつき・光輪視)発生の低減が期待されます。従来の光学部径のレンズをEVO、光学部径が大きなレンズをEVO+と呼びますが、非常に強い近視の場合を除いてEVO+が使われます。
アイシーエルは1997年7月にヨーロッパにおいて認証され、2005年12月に米国にて承認、日本でも2010年2月に厚生労働省より承認されています。また、有孔タイプのアイシーエル KS-AquaPORTは、2011年にヨーロッパにおいて承認され、日本では2014年3月に承認されています。
アイシーエルとアイシーエル KS-AquaPORTを合わせて、世界75ヶ国以上で200万眼以上の埋植実績があります(2022年7月時点)。
アイシーエル KS-AquaPORTには豚の強膜に由来するコラーゲンが約0.3%含まれています。当該成分は、健康な豚に由来し、アルカリ処理の方法により病原体の不活化/除去処理を行っており、これまでウイルス等の感染は報告されておりません。
項目 | 詳細 | 金額(税別) |
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適応検査/術前検査 | 各々 | 5,000円 |
手術費用 | アイシーエル(乱視なし) |
両眼63万円 片目32万円 |
アイシーエル(乱視あり) |
両眼69万円 片目35万円 |
視力の変動…術後1週間ほどは、炎症などで視力が変動することがあります。安定するまでには3か月程度かかります。
ハロー・グレア・光の輪…夜間や暗い中で光を見た時に、眩しさを感じる場合があります。通常は徐々に気にならなくなりますが、よく見ると気が付く程度の症状が残る場合はあります。
手術後一定の期間、日常生活の以下のような項目について制限があります。
術後最低1週間は安静にできるように手術を予定してください。
詳しくはスタッフまでお尋ねください。
手術に関連して生じる副作用や手術と関係はありませんが術後診察で発見されるものがあります。
代表的なものを以下に示します。*すべてを網羅しているわけではございません。
過矯正/低矯正 グレア・ハロー コントラスト低下 老眼
レンズの位置ズレ 術後炎症、感染症
白内障 眼圧上昇 角膜混濁/浮腫 網膜剥離 緑内障
斜視、複視 眼瞼下垂 ドライアイ
その他 通常の白内障手術後の眼内レンズ挿入に認められる以下の合併症又は副作用等が生じる可能性が考えられます。
1)前房出血 2)瞳孔異常(ブロック、捕獲、変形) 3)フィブリン析出
4)毛様体炎 5)硝子体炎 6)眼内炎 7)黄斑浮腫・変性 8)網脈絡膜剥離
9)房水漏出 10)創口閉鎖不全 11)充血 など
万一上記のような術後合併症又は副作用が発現した場合には、適切な処置を行います。
またこれまでに報告されていない合併症や予期せぬ合併症が生じる可能性、それによる失明のリスクや追加の手術加療が必要になる可能性は非常に低いですが生じる可能性は否定できません。
Q. 治療を受ける制限はありますか? |
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A. 目の形や病気、全身疾患などによって治療の対象とならない場合があります。事前に詳しい検査を行い、目の形、状態、生活習慣などを総合的に検討して治療が可能かを専門の医師が診断を致します。また正確な検査のためにコンタクトレンズ(特にハードレンズ)は一定の期間装用を中止していただく必要があります。妊娠中、授乳中は視力が不安定になることがあり近視矯正手術はできません。 |
Q. 手術は痛いですか? |
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A. 目薬タイプの点眼麻酔をしますので痛みはほとんどありません。 |
Q. 眼内コンタクトレンズを入れていることは他人に気が付かれますか? |
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A. 虹彩の後ろに挿入するので、外からは見えません。 |
Q. 「ハロー」・「グレア」とはなんですか? |
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A. 暗いところで明るいライトなどを見た時に光の周りににじんだ輪が見える現象をハロー(光輪症)といい、ギラギラと光ってとても眩しい症状をグレアといいます。症状の度合いや期間には個人差がありますが、治療後数ヶ月で自然と気にならなくなることが一般的です。 |
Q. 費用は公的医療保険の対象ですか? |
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A. 公的医療保険の対象ではありません。ご自身で加入している民間保険の給付については、「有水晶体眼内レンズ挿入術」が対象かどうか、加入保険会社へお問い合わせ下さい。 |
Q. 老眼も治りますか? |
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A. 40歳頃から加齢に伴う調節力の衰えにより「手元が見にくい」と言った老眼の症状が出始めます。老眼は遠近のピントを合わせる能力が衰える症状です。眼内コンタクトレンズ治療は近視や乱視など屈折の矯正を行いますが、老眼の治療ではありません。老眼により手元が見にくい場合は近用眼鏡(老眼鏡)等を適宜使用して下さい。 |
Q. トーリックレンズを使うと近視や乱視は完全になくすことができますか? |
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A. トーリックレンズは乱視の軽減を目的としており、完全になくすことはできません。また眼内レンズは精密な術前検査の上で決定しますが、予測値ですので個人差には完全に対応することはできません。ただし近視や乱視が完全にない状態が必ずしも最もよく見える状態とは限らず、将来的に老眼が始まった時には軽い近視や乱視が老眼の軽減に良い影響を与える場合もあります。 |